天気予報では今年の冬は暖冬という予想でしたが、先日1月末に寒波が到来し日本列島に大雪をもたらしました。皆さんのお住まいの地域はどうでしたか。北海道や北陸では雪は珍しくありませんが、今回は観測史上初となる沖縄本島でもみぞれが降ったということです。テレビに映し出された沖縄の方が、雪に感激し喜んでいる様子が映し出されていました。私は今年は雪が降らないのかと思っていましたが、ついに降るべきものが降ったという気持ちです。早速、25日の朝に新しく就任いただいた総代さんがスコップ持参で雪開けをして下さいました。一人ではなかなかはかどらない雪開けも、総代さんのお陰で10分足らずできれいに除雪していただきました。写真は今回の境内の様子です。現在は溶けて雪はありません。
今回の寒波については、早くから天気予報で大雪注意報や大雪警報が出され、心の準備は十分でした。そのため、あれだけテレビで放送されていた割には、たいしたことなかったと感じるのです。実際に朝起きてみて境内を眺めると20㎝程度の雪が積もっていたのですが、少なく感じまる自分がいるのです。
また雪と聞くと、ついつい邪魔もの扱いをしてしまいます。ニュースでも各地で雪のために混乱している様子が報道されています。厄介ものの雪というイメージが強いのですが、自然のサイクルが成り立つためには雪は欠かせないものだと思います。
雪だけでなく様々なものを、私たちは自分の都合で厄介もの扱いをしているのではないでしょうか。厄介ものとは自分の考えに合わず、手数のかかること、面倒なこと、迷惑なことを言います。しかし、雪国では雪を厄介ものにせず、雪と共存し雪を利用する生活があります。厄介のものだと思っている雪から、私たちは様々な恩恵を受けていることを知ることも大切なことではないでしょうか。
私たちにどこまでも寄り添う如来の本願は、「選ばず、嫌わず、見捨てず」という心です。一方、私たちは、何でも自分に都合の良いように「選び、嫌い、見捨てて」生きていこうとしているのです。親鸞聖人の教えは、如来の本願に出遇って、そんな自分のあり様が問われる教えです。「選び、嫌い、見捨てている」生き方では、せっかくの雪を楽しめず、冬を感じることができないのでしょう。私の本音は、「もうこれぐらいで雪は十分」という思いがありますが、雪は私の思いとは関係が無く、自然の法則に従って降っていることを知らされます。