平成28年9月のご挨拶

仲秋の候 皆様には慈光のもと、御健勝にて仏恩報謝の日々をお過ごしのこととお慶び申し上げます。先日の台風の影響で、東北・北海道地方には大きな被害が引き起こされました。皆様のお住まいの地域では被害がなかったかと案じております。被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 さて、今年度の秋講が8月25日から29日まで、安曇川町横江浜の真光寺様で五日間に渡って開講されました。三木先生・真城先生をお迎えし、御同行とと聴聞させて頂きました。振り返ってみますと、昨年は即得寺で5日間にわたって会所を引き受けさせていただき、御門徒の皆様をはじめ、多くの方々のお世話になり無事に勤めさせていただいたのが昨日のごとく蘇ってきます。本当に時の過ぎるのは早いものです。今回の秋講には先回の会所当番寺院として、即得寺は大きな役割をいただいておりました。それは、この秋講に本山から下付されている19代門主の乘如上人の御絵像と闡如上人の御消息を一年間お預かりし、この度真光寺様へお届けするということでした。8月27日(土)は朝から雨が降っており、濡れないように準備も行いましたが、引き継ぎの儀式を行う午前11時過ぎには雨もやみ予定通りに御絵像・御消息をお届けできました。写真は即得寺総代さんに唐櫃を担いで頂いているところです。無事に御絵像をお届けすることができ、これで秋講の会所としての責任を果たすことができたと、ほっとしております。

 高島秋講は二五〇年以上の歴史があり、その時の関係者がこの行事を伝えてきて下さったという事実があります。この行事を通じて伝えられてきたものは、「念仏相続」に他なりません。そのことを頂くと、「はい、確かに受け取りました」と声を出して申し上げなければなりません。皆さんはどうでしょうか。本当に大切なもの、大切なことを先人から受け取っておられるはずですが、しかし、受け取ったのか、受け取っていないのかがはっきりしないのではありませんか。

 私たちは、両親や先祖から何を受け取り、自分の子や孫に何を引き継ぐべきか。このことを一度考えてみたいものです。お金や物を引き継いだだけではあまりにも寂しいことです。

  ・本当に受け取らなければならないことは何か。

  ・自分の子や孫に何を伝えるべきか。

 お念仏の生活をしてこられた先人からは、損得・勝ち負けではなく、人として大切なことに気づいてほしいという願いがかけられていると思います。「念仏」を伝えたい。「親鸞聖人の教え」を伝えたいという願いが、高島秋講や彼岸会・報恩講など様々な形をとって、私にまで届けられているのです。今回の高島秋講に出遇い、改めて「念仏相続」こそが最も大切なことだと感じました。

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