「ピカピカの一年生」
三月に孫が卒園しました。この三年間は坊守の入院もあり、保育園への孫の迎えなど孫との関係が深まりました。卒園式が近づくと、孫に「ねぇ、おじいちゃん。私の卒園式におじいちゃんも来てくれる?」と尋ねられたのです。参加制限もなく嬉しいお誘いであり、参加することにしました。当日は園児全員による卒園の言葉や歌に感動し、目頭がうるんできました。三歳から入園し四年間の保育園生活によって、先生や友だちから多くのことを学び、育てられ成長した姿に感動しました。
四月からは「ピカピカの一年生」です。一年生はかがやいているのです。ピカピカしているのは制服やランドセルが新調され新しいからでもありますが、それ以上に小学校で学ぶことに喜びがあり、期待に胸を膨らませているからです。これから始まる小学校生活にワクワク、ドキドキしているからでしょう。
一年生にとって、これから始まる小学校生活はよいことばかりではありません。友だちとけんかをしたり、悲しいことや悔しいことにも出遇うでしょう。また、色々なことに挑戦し、出来ることの喜びや友だちと遊ぶ楽しさも、もっと大きくなるはずです。一年生がかがやいているのは、喜んで小学生活を迎えるからであり、自分を支えてくれる両親や家族、友達や保育園の先生の励ましに安心し、自分の歩みを始めることが出来るからでしょう。
私達も「ピカピカの一年生」に負けないで、毎日をワクワク、ドキドキ感動を持って生活しているかが問われているのではないでしょうか。「ピカピカの一年生は」はいのちがかがやいているのでしょう。精一杯に生きている姿を見ると素晴らしいと感じます。
私共もいただいている「いのち」、一度きりの「いのち」をかがやかせたいものです。自分の思い通りにならず、不平や不満を言ってる時はいのちは曇っているのではないでしょうか。また、悲しみや不安を感じる時はいのちが元気を失っているのでしょう。 私共は、自分に与えられた課題をいただき、その課題から学び育てられると思います。ピカピカの一年生に対して私達は「ピカピカの念仏者」です。私共にいただいている課題は、仏さまからのお催促です。課題がなければ「お念仏」と出遇うことはありません。老いや病気、災害など思わぬ課題が降りかかってきますが、お念仏を通じてこそ、本当のいのちがかがやくのだと思います。互いにいのちをいただいていることの事実に立った時、喜びをいただくと感じます。