投稿者「龍湖山 即得寺」のアーカイブ

平成28年11月のご挨拶

今年も残すところ2ヶ月となりました。郵便局では年賀状の売り出しが始まったとのニュースを聞くと、気ぜわしく感じます。皆様はいかがお過ごしですか。

 11月は私たち真宗門徒にとっては特に大切な月です。それは親鸞聖人の御命日(11月28日)でもあり、また御命日をご縁として「報恩講」をお勤めする月だからです。御本山では11月21日~28日まで法座が勤まります。私自身も御本山の報恩講にお参りしたいと考えています。

 さて、私たちは「報恩講」という言葉はよく知っていますが、どんな意味があるのでしょう。報恩講とは、覚如上人によって始められ、蓮如上人によって広く行われた法座です。真宗門徒として「如来のみ教えを私たちに身をもって明らかにしてくだされた、宗祖親鸞聖人」の恩徳を讃えるとともに、そのみ教えを聴聞する行事です。「報恩」の「報」という漢字にはいくつかの意味があります。漢和辞典を引いてみますと、①「報」むくいる。返す。用例としては「報恩」・・恩に報いる。恩返し。 「報酬」・・労力や尽力に対する謝礼の金品。とあります。二つめの意味としては②しらせる。告げる。用例としては「報告」・・告げ知らせること。「報知」・・告げ知らせる(火災報知器)。「報道」社会の出来事を知らせる。とあります。

 私は「報」という漢字の持つ大切な意味が、「知らせる。告げる。」という点にあると気づきました。私は「恩」に報いると言われても、どれだけ恩を受けているか知らないのです。もっと正確に言えば、「恩」を受けていることさえ気づいていないのです。大切なことに気づいてこそ、私の人生は空しく過ぎることはないのでしょう。

 「報恩」ということは、私の生活で本当に大切なことは何かを問うてくれます。「今、頂いていること」の大きさに気づき、「本当に大切なこと」を知らされるときに、感謝できるのでしょう。

 歎異抄の第14章には「一生のあいだもうすところの念仏は、みなことごとく、如来大悲の恩を報じ徳を謝すとおもうべきなり」と示されています。報恩講にお参りして改めて念仏を頂きたく思います。

 即得寺の報恩講は、⒓月9日(金)~11日(日)、狐野秀存先生をお迎えして勤まります。どうか皆様お参り下さい。

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平成28年10月のご挨拶

うらをみせ おもてを見せて ちるもみじ (良寛)

10月に入り、朝夕に涼しさを感じる季節となりました。皆様には慈光のもと、御健勝にて仏恩報謝の日々をお過ごしのこととお慶び申し上げます。冒頭の句は良寛和尚の句です。先日、親戚寺院の十三回忌法要に参勤しました折に、そのお寺の御住職の御挨拶でこの句が紹介され、心に残りましたので今回の御挨拶に紹介いたします。

 皆さんの地域の紅葉はどうですか。即得寺の庭の木々はまだ青々としており、紅葉までには、あと一ヶ月以上先のことと思えます。庭に出て、写真を撮りましたが、鮮やかな緑の葉を広げており、若々しさを感じます。

「うらをみせ おもてを見せて ちるもみじ」

 この句は良寛和尚の「辞世の句」であるそうです。70歳を超えた良寛和尚は、老いの身の中で「死」を実感されたのだと思います。生涯にわたって寺を持たず、貧しいながらも清らかな生き方を通されました。そうした中で、多くの詩や歌を詠み、また、子供達と遊んだ時等の逸話から慈愛に満ちたお人柄が伝えられています。良寛の命が終焉に近づいた頃、良寛自身が詠んだ俳句であります。「うらをみせおもてを見せ」るとは、自分の本当は人に見せたくない部分も全て自分なのだということではないでしょうか。私は、自分の嫌な面や隠したい面を外に出すことはできません。しかし良寛和尚は、自分の裏も表も全てさらし出さなければ自らの人生を全うできないと示されているようです。あるがままに老い、あるがままに生きるということを教えられます。

 親鸞聖人は「外に賢善精進の相を現ずることを得ざれ、内に虚仮を懐けばなり。」と教えてくださっています。

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同朋会一日研修会に行ってきました

例年恒例になっております一日研修会を会員の皆さまの参加を得て実施いたしました。当日は、河内会長様や役員の方々にお世話になり30名の皆さまと共に有意義な研修をさせて頂きました。

 今回は教如上人の御旧跡である安八郡の光顕寺様と大垣の西圓寺様を訪問し、参拝いたしました。どちらの寺院でも御住職様の分かりやすい説明と教如上人への思いを語って頂き、岐阜の地で改めて教如上人のご苦労に出遇わせて頂きました。大切な寺宝、宝物を私たちのためにお出し頂き、準備をして待っていて下さったことに、ただただ感謝するばかりです。教如上人の御生涯は、常に戦と隣り合わせであったと感じますが、その教如上人を支える多くの念仏者がおられたことも事実であると感じました。特に土手組(どろてぐみ)の活躍や、身代わりとなり、自らの命をなげうって上人を護られた西園寺の当時の御住職にただ頭が下がるばかりです。今日、東本願寺を御本山とする真宗大谷派は教如上人によって開かれていますが、今回の研修でのお話を伺いますと、大変なご苦労と信念の上に大谷派が開かれたことを感じました。

 芭蕉の「奥の細道むすびの地記念館」にも立ち寄り、俳諧の世界にも触れました。秋のさわやかな気候の中で、思い出に残る一日となりました。

 今回の研修を終わって一句詠みます。

  「上人の 願いに出遇う 美濃の秋」

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秋の彼岸会をお勤めしました

今年度の秋彼岸会法要は9月22日(木)にお勤めをいたしました。前日から天候を心配していましたが、天気予報のとおりに午後からは雨となりました。しかし、沢山の御門徒が雨の中をお参り下さいました。今回は若院も出仕させて頂き、皆さんとともに「正信偈」のお勤めをいたしました。本堂いっぱいに正信偈、お念仏の声が広がり、皆さんと同じ時間を生かされていることを実感いたしました。ひとりの念仏の声が、ふたりの声になり、三人の声になり、気がついてみると念仏の声に包まれていたのでした。

 午後の住職からの法話の後には、社会福祉法人 虹の会「ドリーム・あんです」から手作りお菓子の販売をして頂きました。雨降りのため境内での販売ができないため、本堂の縁側で販売をして頂きました。恒例となった「ドリームさん」のお菓子は大変人気で、沢山の方が購入されました。当日「ドリームさん」が作って下さったチラシを掲載いたします。来年の秋のお彼岸にも販売を計画いたします。

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平成28年9月のご挨拶

仲秋の候 皆様には慈光のもと、御健勝にて仏恩報謝の日々をお過ごしのこととお慶び申し上げます。先日の台風の影響で、東北・北海道地方には大きな被害が引き起こされました。皆様のお住まいの地域では被害がなかったかと案じております。被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 さて、今年度の秋講が8月25日から29日まで、安曇川町横江浜の真光寺様で五日間に渡って開講されました。三木先生・真城先生をお迎えし、御同行とと聴聞させて頂きました。振り返ってみますと、昨年は即得寺で5日間にわたって会所を引き受けさせていただき、御門徒の皆様をはじめ、多くの方々のお世話になり無事に勤めさせていただいたのが昨日のごとく蘇ってきます。本当に時の過ぎるのは早いものです。今回の秋講には先回の会所当番寺院として、即得寺は大きな役割をいただいておりました。それは、この秋講に本山から下付されている19代門主の乘如上人の御絵像と闡如上人の御消息を一年間お預かりし、この度真光寺様へお届けするということでした。8月27日(土)は朝から雨が降っており、濡れないように準備も行いましたが、引き継ぎの儀式を行う午前11時過ぎには雨もやみ予定通りに御絵像・御消息をお届けできました。写真は即得寺総代さんに唐櫃を担いで頂いているところです。無事に御絵像をお届けすることができ、これで秋講の会所としての責任を果たすことができたと、ほっとしております。

 高島秋講は二五〇年以上の歴史があり、その時の関係者がこの行事を伝えてきて下さったという事実があります。この行事を通じて伝えられてきたものは、「念仏相続」に他なりません。そのことを頂くと、「はい、確かに受け取りました」と声を出して申し上げなければなりません。皆さんはどうでしょうか。本当に大切なもの、大切なことを先人から受け取っておられるはずですが、しかし、受け取ったのか、受け取っていないのかがはっきりしないのではありませんか。

 私たちは、両親や先祖から何を受け取り、自分の子や孫に何を引き継ぐべきか。このことを一度考えてみたいものです。お金や物を引き継いだだけではあまりにも寂しいことです。

  ・本当に受け取らなければならないことは何か。

  ・自分の子や孫に何を伝えるべきか。

 お念仏の生活をしてこられた先人からは、損得・勝ち負けではなく、人として大切なことに気づいてほしいという願いがかけられていると思います。「念仏」を伝えたい。「親鸞聖人の教え」を伝えたいという願いが、高島秋講や彼岸会・報恩講など様々な形をとって、私にまで届けられているのです。今回の高島秋講に出遇い、改めて「念仏相続」こそが最も大切なことだと感じました。

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お盆前のお磨きをしました

8月10日(水)に十四日講・光華法話会の会員さんと総代さんにご参加頂き、「お磨き」を行いました。本堂の仏具の「お磨き」は、昨年の⒓月の報恩講の時に行って以来です。毎日見ていると汚れているようには思えないのですが、磨いてみると、布が真っ黒になり、改めて汚れていることが知らされました。

  今回は実験的に新しいお磨き用の薬品を購入して行いました。不思議なほど汚れがどんどん取れて、新品同然?というくらいに光り出しました。

  お磨きが終わると、参加者全員で「正信偈」のお勤めをし、続いて住職の法話でした。聞法会の後は会員さんとお茶菓子をいただきながら、いろいろなお話に花が咲きました。

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平成28年8月のご挨拶

今年の暑さは格別で、例年に比べ一段と暑く感じられます。皆さまにはお変わりなくお過ごしのことと存じます。

 さて、先日境内を掃除していました時、毎日見ている当たり前の風景の中に、ふと新しい発見をいたしました。即得寺の鐘楼の土台は石垣で積み上げられていますが、この石垣はよく見ると自然石が使われており、石の大きさも大小様々です。これらを見ていると様々なことが頭に浮かんできます。

  その一つは熊本城の石垣が崩落したことです。どんなに堅牢で、絶対に壊れないと思っていても、「絶対」ということはこの世にはあり得ないのです。よく「絶対に儲かります」「絶対安全です」「絶対事故は起こりません」といいますが、本当にそうでしょうか。熊本城の石垣が私たちに教えてくれていることを大切にしたいものです。

 もう一つは、この石垣は社会の様子だなぁと感じるのです。写真をご覧下さい。大きい石、小さい石、それぞれ形や大きさが異なりますが、みんなで肩寄せ合って、石垣を作っているのです。大きな顔をしてデーンと威張っている石も、側には自分を支えている石があるのです。

 なんか人間社会のようで、じっと見ているとクスッと笑えてしまいます。そのうち、「私はこの石垣のどの石かなぁ」なんて考えてみると面白いものです。不思議なことに、一つも要らない石はありません。すべての石がそれぞれを支え合って成り立っているのです。

 最近、「本当は人間としてどのように生活をしたいのか」を考えることがあります。時には、自分のことだけをするのが精一杯で、人のことなど考える余裕のないこともあります。しかし本当は「ともに生きたい」と願っているのでしょう。

それでは「ともに生きたい」という願いを実現するにはどんなことが大切でしょうか。

① 「分け合う」楽しいこと、おいしいものを分け合いたいものです。

② 「助け合う」一人でできないことも、助け合えば半分の力でできます。

③ 「支え合う」小さな子ども、高齢者の方の力も生かし、支え合いの生活をしたいです。

④ 「励まし合う」どんなことでも認め合い、励まし合えば力が湧いてきます。

⑤ 「声を掛け合う」おはよう、ありがとう、おかげさま、のあいさつができる。

これらの「合う」に出遇うと、損得を超えた大きな喜びに出遇えるのではないでしょうか。皆さんはどんな「合う」が大切だと感じられますか。

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お盆前の大掃除を行いました

8月6日(土)の朝8時00分よりお盆前の大掃除を行いました。参加して頂いた方は、総代さん、女性総代さん、藁園の世話方さんです。当日は朝から30℃を超す暑い日となりました。前半の作業は外掃除です。枯れ葉や草取りをしました。「草は強いですね。こんな暑さの中でも、しっかりと根を張り生きていますね。私はすぐに暑いからだめだ~。寒いからできません。と文句ばかりです」など皆さんとお話をしながらの作業です。

 真宗門徒の生活で大切なことは何でしょう。それは、お勤めをすること。お掃除をすること。他の人と話し合うこと。であると考えています。本山の同朋会館での生活はこの三つのことを大切にしていると感じています。なかなか日頃は仕事があるからとか、時間がないからという理由をつけて、この三つのことができてないのです。今回、御門徒の方と一緒に大掃除ができとことが喜びです。

 休憩後の後半の作業は客殿の畳拭き、本堂の縁やガラス戸の拭き掃除です。みんな汗を流しながらの作業となりました。写真は掃除の様子です。最後に参加者全員で記念写真を撮りました。皆さんのおかげで境内も本堂もきれいになり、おかげで心もさわやかにきれいになりました。皆さん、是非盂蘭盆会法要にお参り下さい。お待ちしております。

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夏休みだ!!お寺に集まろうー

即得寺では、ずいぶん以前から地域の子どもを対象に「和讃講」と呼ばれる子ども会活動が行われてきました。現在でも毎年活動を行っています。活動の願いは、地域の子どもたちが、お寺に集い、仏様のお話を聞くことによって、心豊かに育ってほしいということです。

 現在の活動は、お勤め(正信偈)の練習、ゲーム、お話を聞く、紙芝居、夏の宿題(勉強会)などです。広いお堂に朝早くから子どもたちが集まり、元気な声が響き合っています。 地域の子どもたちを、地域の中で育てるお手伝いが出来ればと考えています。一年生から六年生までが一緒に座り、楽しんで活動しています。

 「和讃講」の最終日には女性門徒の方に協力を頂き、子どもたちと昼食会を行います。この昼食会も伝統があり、藁園地域の伝統的な食事である「しょいめし」をいただきます。子どもたちにとっては、毎年の楽しみの一つです。

 今年度も沢山の小学生が参加しています。写真はお勤めをしているところです。「和讃講」は下記の日程で開催しています。

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1.日程 平成28年7月21日(木)から29日(金)まで

 ただし土曜日・日曜日はお休みとします。

 時間:午前7時45分から9時まで

 内容:お勤め(正信偈)の練習、ゲーム、お話を聞く、紙芝居、夏の宿題

 対象:小学生(どなたでも参加できます)

 参加費:無料

 7月29日(金)は午前11時から昼食会です。

2.会場 即得寺本堂

平成28年7月のご挨拶

7月に入り暑い日々が続きます。庭の植木も伸び盛りとなり、緑の鮮やかな季節を感じています。一雨ごとに木々が成長し、一雨ごとに夏に向かっていると感じます。

 さて、皆さんはここ数年間の気象状況をご覧になると、昭和の30年代~50年代にはこんな暑い状況はなかったと思っておられるはずです。年々日本や地球が暑くなっているようです。真夏日や猛暑日という気象単語も以前にはなかったように思いますが、今では日中の暑さが基準を超えると、テレビ画面が小さくなり熱中症注意を喚起する内容が放送されています。真夏日とは日最高気温が30℃を超えたときであり、その上の猛暑日は日最高気温が35℃を上回ったときです。さて皆さんは日本の最高気温は何度かをご存じですか。気象庁のHPによりますと次の通りです。

  第1位 高知県江川崎(41.0℃、2013年8月12日)

  第2位 埼玉県熊谷 (40.9℃、2007年8月16日)

  第3位 岐阜県多治見(40.9℃、2007年8月16日)

  第4位 山形県山形 (40.8℃、1933年7月25日)

  第5位 山梨県甲府 (40.7℃、2013年8月10日)

私はまだ、40℃以上の気温を経験したことがないので、どんな状況であるかは分かりませんが、たぶん汗は流れるし、立っているだけでクラクラ目眩がしそうです。皆様方は、十分に暑さ対策をされ、夏を乗り切って頂きたいと思います。お寺では、昨年本堂に冷房設備をしていただき、快適にお参りをして頂けるようになりました。

 遠方の方で、この8月に新旭町への帰郷を予定されておられる方は、是非お寺にもお参り下さい。お出会い出来る日を楽しみに、お待ちしております。