掃除
9月は台風18号が上陸し、各地に被害をもたらしました。皆さんのお住まいの地域はどうでしたか。お寺は幸いなことに大きな被害を受けることはありませんでした。全国各地で豪雨による水害や強風による被害が伝えられています。被災
された方にお見舞いを申し上げます。
さて今回の台風の影響で、9月17日(日)に予定していた大掃除を、一日繰り上げて16日(土)に実施しました。今回の台風は大雨をもたらしましたが、16日も朝からの雨の中、深溝の御門徒や総代さん方とともに掃除に汗を流しました。また、台風の後始末も兼ねて23日の御彼岸会の午前中に再び総代の皆さんと共に境内と庭の掃除を行いました。写真は、カッパを着用しての掃除の様子と彼岸会前のきれいになった境内の様子です。
掃除をするときにいつも思い起こされるのは、お釈迦様の弟子の周利槃特(チュ-ラ・パンダカ)の話です。物覚えの悪い周利槃特は、修行をする力もなく、文章を覚えることもできず、仏道をあきらめていましたが、お釈迦様の御説法で悟りを開くことができたのです。お釈迦様は周利槃特に箒を一本わたし、「これからは、この箒で掃除をしながら『塵を払わん、垢を除かん』と唱えなさい」とおっしゃり、周利槃特は来る日も来る日も箒を持ち掃除に励んでおりました。やがて、周利槃特は『塵を払わん、垢を除かん』ということを「自分の心の塵、心の垢」と自覚し悟りを開かれたのです。
掃除を進んで行うことはなかなかできませんが、掃除が仏事であるといただけると大事なご縁であると頷けるのです。「ここが一番いいところ ここが一番大事なところ」といただくと、清浄なる場(浄土)を求めずにはおれないのです。