今年も残すところ2ヶ月となりました。郵便局では年賀状の売り出しが始まったとのニュースを聞くと、気ぜわしく感じます。皆様はいかがお過ごしですか。
11月は私たち真宗門徒にとっては特に大切な月です。それは親鸞聖人の御命日(11月28日)でもあり、また御命日をご縁として「報恩講」をお勤めする月だからです。御本山では11月21日~28日まで法座が勤まります。私自身も御本山の報恩講にお参りしたいと考えています。
さて、私たちは「報恩講」という言葉はよく知っていますが、どんな意味があるのでしょう。報恩講とは、覚如上人によって始められ、蓮如上人によって広く行われた法座です。真宗門徒として「如来のみ教えを私たちに身をもって明らかにしてくだされた、宗祖親鸞聖人」の恩徳を讃えるとともに、そのみ教えを聴聞する行事です。「報恩」の「報」という漢字にはいくつかの意味があります。漢和辞典を引いてみますと、①「報」むくいる。返す。用例としては「報恩」・・恩に報いる。恩返し。 「報酬」・・労力や尽力に対する謝礼の金品。とあります。二つめの意味としては②しらせる。告げる。用例としては「報告」・・告げ知らせること。「報知」・・告げ知らせる(火災報知器)。「報道」社会の出来事を知らせる。とあります。
私は「報」という漢字の持つ大切な意味が、「知らせる。告げる。」という点にあると気づきました。私は「恩」に報いると言われても、どれだけ恩を受けているか知らないのです。もっと正確に言えば、「恩」を受けていることさえ気づいていないのです。大切なことに気づいてこそ、私の人生は空しく過ぎることはないのでしょう。
「報恩」ということは、私の生活で本当に大切なことは何かを問うてくれます。「今、頂いていること」の大きさに気づき、「本当に大切なこと」を知らされるときに、感謝できるのでしょう。
歎異抄の第14章には「一生のあいだもうすところの念仏は、みなことごとく、如来大悲の恩を報じ徳を謝すとおもうべきなり」と示されています。報恩講にお参りして改めて念仏を頂きたく思います。
即得寺の報恩講は、⒓月9日(金)~11日(日)、狐野秀存先生をお迎えして勤まります。どうか皆様お参り下さい。