「人生見直しのチャンス」
一月下旬に大寒波が押し寄せましたが、皆様にはいかがお過ごしでしょうか。昨年の年末は比較的温かい日が続き、雪が積もることもなかっただけに、今回の寒波では改めて冬の厳しさを知らされました。
さて、28日の法語カレンダ-が目に入りました。そこには「人生はやり直しが利かないんだ、利かないけれど見直しのチャンスなんだ」とあります。この言葉をどのように考えればよいか、私なりに考えてみました。
私たちの人生は、一回限りの人生を生きているわけです。その人生は、誰かにかわってもらうことができず、限りのある人生であることは誰もが知っていることです。しかも人生の時間を戻すことはできないわけです。その意味で「人生はやり直しが利かない」と表現されているのです。
では、「見直しのチャンスなんだ」とはどんなことを意味するのでしょうか。人生を見直すとはどんな時でしょう。自分の思い描いていた人生と異なったとき、自分の思い通りに行かないときではないでしょうか。そんな時こそ人は自分を見つめ、人生の意味を改めて問うのではないでしょうか。そして、その時こそ、人生の意味を深く、重く、広く尋ね、人生を豊かにするのでしょう。
「夜と霧」の作者であるフランクルさんは、「人生に何かを期待するのではなく、人生から何を期待されているかである」と述べておられます。
人生と一口に言いますが、毎日の生活を通じて、何に出遇い何に感動するかを大切のしたいものです。私は、この人に出遇うために私は生まれてきたと言い切れる人生でありたいと思います。また、都合が悪いことについても、このことに出遇わずして私の人生はないと受け止めたいです。
この度の本山の慶讃法要テ-マは「南無阿弥陀仏 人と生まれたことの意味をたずねていこう」です。人生を通じて、本当に大切なことに出遇い続けることこそ願われていることでしょう。